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Dr. Dre – Compton
ドレはこの作品をサウンドトラックだと言った。
アルバム中の全曲で自分がリードラッパーを務めているわけではないから?
いや、今までのアルバムでもそういった構成は多く、それが今作だけをサントラと言う理由にはならない。
でも聴いてみて一目(聴)瞭然。
アルバム全体を通してめまぐるしく展開していく。
しかもそれが曲ごとにではなく、1曲の中でさえ次から次へと展開していく。
まるで映画を見ているかのようだ。
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僕は前のインスタでアップした通り、最初にこの “サントラ” を聴いたのはインパラの中。
僕のインパラは、オーディオに力を入れたカスタム。
スピーカー、アンプはもちろん、ケーブル1本1本や、余計なノイズを押さえるためにフロア一面に敷かれた防振マットなど、見えない所にもこだわったサウンドシステム。
そのシステムを持つ、そして当のドレも年齢50にしていまだに愛してやまないインパラという特別な空間の中で、
この歴史的な、16年も待ったアルバムを聴くことに、僕の人生にとって大きな意味があると思った。
最初のComptonはインパラで聞きたいがために待った、買ってから数時間。長かった。
そしてその待ち望んだ瞬間。プレイボタンを押したその瞬間から、
次の一瞬、次の一瞬が待ち遠しくてしょうがない感覚。
こんなにも展開にドキドキしながら音楽を聴いたのなんていつぶりだろう。
この “サントラ” を途中で止めることなく、最後まで聴きたい。最後まで聴かなければいけない。
そういう気持ちがあふれ出てどうしようもない。
友人との待ち合わせも遅らせてもらい、遠回りしてまで、
このサントラのエンドロールまで一気に走り抜けたかった。
これが僕が16年待ったアルバムとの出会い。
映画だからシーンごとに見るなんて事はしない。
つまりシングルカットは必要ない。
これほどにまで衝撃を受けたのは、25年くらい前のWest Coast Hip Hopに出会ったあの時以来。
いや、それ以上かもしれない。
また1つ歴史的な瞬間に立ち会えた。
これが僕の生涯をかけて追求するウエストコーストヒップホップ。
1番最初に僕の人生を大きく変えたドクター・ドレが、またしても僕の人生に大きなマイルストンを置いていった。
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